起業で「億り人」になった人の絶対ルール 試し読み

ビリビリビリ!

「この契約はなかったことに!」

そう言い捨てて、破いた契約書をばら撒いて、相手は店を出て行きました。

頭が真っ白でした。昨日まではあんなに契約に乗り気だったのに。

昨日の夜中4時まで飲みに付き合わされたのはなんだったんだ……。

というかコーヒー代払っていってよ!……

こんなこともありました。

営業代行案件で、とある事業の代理店募集をしている時に、ゴミ回収のお仕事をしている方が、新しい仕事として代理店を検討されていたので、その説明をしたときのことです。

その方がイメージしていた仕事と、代理店の仕事の内容に違いがあり、そのことで機嫌を悪くされ、

「こんな内容やったらわざわざ時間作らんかったわ!

はじめから言っとかんかい!

パッカー車に入れるぞワレ!」

と胸ぐらを掴まれて怒鳴られました。……

私の起業家人生はそんな失敗ばかりでした。

申し遅れました、中野祐治と申します。

こんな失敗ばかりの、普通以下の私がメンターに出会い、メンターのアドバイス通りに動き、マネをすることで、年収1億を超える起業家になれました。

今や、大企業に入れば安心という時代ではありません。

社員は生涯をかけて、ひとつの会社に忠誠を尽くすべきである。

会社は終身雇用と手厚い福利厚生で、それに応えてくれるものである。

今の時代本気でそう信じている人がいると思いますか?

もし若い世代でそんなふうに考えている人がいたとするなら、それはよっぽどの無知か、彼らの親世代が過去の栄光に縛られ、それを子どもにささやき続けることによってかけた「呪い」の犠牲者かもしれません。

バブルが崩壊してから30年以上がたち、終身雇用、年功序列などといった制度はとっくに終わりを告げています。

今後の社会を生き抜くには、会社頼み、組織頼みではなく、「自ら稼ぐ」という考えで、個人としての能力を磨く必要があります。そんな生き方の最たるものが「起業」です。

日本は諸外国に比べ、起業する若者が圧倒的に少ないといわれています。

「頑張った分だけ稼げる」「成功したら自分で時間を管理できる」「欲しいものが手に入る」など、起業にはさまざまなメリットがあるものの、実際に起業する人は少数派です。

たしかに起業にはリスクも伴います、収入が少なくても自己責任です。

起業の仕方も誰も教えてくれない場合が多いです。

借金を背負うこともあるでしょう。

しかも、親も先輩もたいていは会社勤めであり、学校の進路指導でも大手企業への就職が勧められます。

起業のイメージはリスキーなことばかりで、具体的にはわからないことだらけです。

特別な才能や野心、行動力のある人だけの道に見えて、多くの人が起業を選択肢から自然と外してしまうのが現状ではないでしょうか。

多くの人が起業を選ばない大きな理由は、「自分には経営の知識がないのに、起業なんてできるはずがない」と思い込んでいるのです。

しかし、事業計画、資金調達、営業、宣伝、税務、会計など、経営に必要な業務をすべて把握している人が、どれだけいるのでしょうか?

しかも、巷にあふれている情報は、起業に必要な事務手続きの説明や、急成長を遂げた超有名なベンチャー起業家の華麗なサクセスストーリーばかり。そういった情報に触れても、「これはこの人が凄いからで、私には無理」と思ってしまう人が多いのかもしれません。

私もそんな人間の一人でした。

神戸大学卒業後、大手電機メーカーに就職し、そのままずっと会社員を続けていく人生と思っていました。起業なんて考えたこともありませんでした。

しかし、社会人として2年ほど経験を積み、先輩や上司の姿を見て、「なんか違うんじゃないか?」「このままでいいのか?」と思い始めたのです。

その時にロバート・キヨサキ氏の『金持ち父さん貧乏父さん』を読み、衝撃を受けました。『金持ち父さん貧乏父さん』のなかでは、給料をもらって、使って、という労働者は

「ラットレース」から抜け出せないと書いてありました。

「俺って完璧に貧乏父さんや~!!」

「超スーパーラットレーサーや~!!」

と思いました。

そもそも給料とはどうやって決まっているのでしょうか?

簡単に言うと、給料は「あなたが明日も同じように働けるために必要なお金」。

難しく言うと「あなたの労働力の再生産コスト」なのです。

あなたが仕事でどれだけ頑張って成果を上げたかは考慮されていないのです。

あなたの「努力量」「成果」は給料の基準を決める要素には、入っていないのです。

「能力給や成果給をうたっている会社はたくさんあるぞ!」という反論もあるでしょう。

たしかに、実際には能力や成果も給料に反映される場合もあります。

しかし、それはあくまでも「多少のプラスアルファ」でしかありません。

日本企業の場合、ほとんどが「あなたの労働力の再生産コスト」の合計が給料なのです。

ですから、みんなと同じように、普通に食事をして、普通の家賃の家に住んで、普通の服を着て、普通にリフレッシュしていたら、まったく残らないのです!

だから給料日前になるとみんなお金がないのです!

稼ぐ手段として、お給料だけに頼っていては、豊かになれるわけがないのです。

会社は従業員をお金持ちにしようとは思っていません。会社の持ち主をお金持ちにするために存在します。なので、「会社員を続けて、出世してお金持ちになる」ことを期待すること自体がズレた考えと言わざるを得ません。

高度経済成長期の日本であれば、会社で一生懸命働くことが、豊かで幸せな人生につながったのかもしれません。

しかし、今の日本は違います。あなたもそろそろ気づいているはずです。

会社で働くことが、豊かで幸せな人生につながらなくなっているのです。

私自身も、こういった現実を知る前は、一生懸命勉強して、いい大学に入って、いい会社に入れば豊かで幸せな人生を送れると思っていました。

たしかに、出世すれば、給料は上がるかもしれません。

しかし、給料が上がると、必ず支出も上がるのです。

まず税金が上がります。

そして、給料が上がると、生活レベルも上げたくなるのが人間の欲求なのです。

また、一度上げた生活レベルはなかなか下げられません。

支出は収入に比例して上がっていくのです。

あなたの先輩や上司も、毎月給料日前にはお金がないと言ってませんか?

結果として、何年働いても、手元にはお金がほとんど残らないのが現実なのです。

こういったことに気づき始めた時に、友人の紹介でメンターに出会いました。

メンターの導きと戦友たちとともに目指してきたことにより、会社員をしながら週末起業をし、脱サラし、29歳で月収が100万円を超えました。

その時、メンターは32歳で年収1億円を達成されました。年収1億円は達成できるんだとイメージでき、私も40歳までに年収1億円を達成すると目標設定しました。

31歳でリコさんという最愛の妻と結婚をし、今では夫婦で事業をしています。

そして、39歳の時に、年収1億円を達成しました。

かなり間をはしょりましたが、メンターと出会ってなければ今の人生はありません。

山あり谷ありの道のりでしたが、メンターに何度も励ましていただき、力づけをしていただきました。

そして、ありがたかったのは、メンターがもともと私と同じ会社員の方だったことです。

私のメンターが先祖代々お金持ちの方だったら、会社員をいきなり辞めて起業した方だったら、私はマネができませんでした。メンターが、私と同じような状態から週末起業で立ち上げてきた方で再現性を大事にする方だからこそ、マネができました。

もし、マネができ、再現性を大事にしているビジネスオーナーと出会う縁に、あなたが巡り合えたら、そのチャンスをかならず掴み取ってほしいのです。

メディアに取り上げられているようなごく一部の起業家ではなく、はるかに多くの「等身大の起業家」が、どんな日々を送り、どうやって起業し、事業を継続しているのかは、あまり知られていません。

本書では、いわゆる“有名社長”ではない私だからこそ明かすことができる、起業家としてのリアルな経験と、週末起業から立ち上げていく実態を、失敗談も含めて、赤裸々に書き、ルールとしてまとめました。

メンターから教わったことを、私がどのように実践してきたのか。試行錯誤しながらも年収1億円まで達成した、いち起業家の実情をお伝えすることで、起業という選択肢をより身近に感じていただけると確信しています。

起業とは、特別なスキルや高い志を持っている特別な人だけができるものではなく、誰もがトライできるものだと断言できます。

起業に興味を持ちながら、最初の一歩を踏み出すことに躊躇しているあなたの背中を押すことが出来れば、著者として最高の喜びです。

中野祐治