「久しぶり!」
「おお〜久しぶり! 最近どう?」
「俺、去年マンションを買ったんだよね」
「俺も、6年前に家を建てたよ」
「お互い大変だな。俺たちもこうやって歳をとっていくんだな」
久しぶりに会った、会社員時代の同期との会話です。
私と彼は似ていました。
同じ年齢、同じレベルの大学、同じような部署。
そして同じように幸せな結婚をし、子どもを育てました。
ただし、ひとつだけ違う点がありました。
「稼ぐお金」が圧倒的に違ったのです。
彼は35年ローンを組んで、小さなマンションを買いました。
私は地下1階、地上3階と屋上テラスのある2億円の家を購入し、ローンの返済も数年で終えました。
どうして、この違いが生まれたのでしょうか?
それは私が
「億を稼ぐ人の習慣」
を実践したからでした。
プロローグ
これまでさまざまな経験をし、いまでは毎年、億単位の収入を稼ぐようになった私ですが、拙い経験のなかで導き出した結論があります。
それは、「成功する」ということが才能によるものではなく、学歴があるからでもなく、人脈があるからでもなく、資金があるからでもなく・・・・・・
“誰でも、望むことは実現できるというシンプルな法則”に則っているだけ
ということです。
しかも、実現するために必要なものはすべて、すでに目の前にあります。
多くの人が、それを見ようとしないから、見えないだけなのです。
「そんな法則があって誰でもうまくいくんだったら、なんで知られていないんだ!」と叫びたくなるでしょう。単純な法則にもかかわらず、学校や会社では教えてくれないので、ほとんど知られていません。
たしかに、さまざまな書籍に〝成功の法則めいたもの”は書いてあります。
しかし、それを読んでも「そんなバカな」と信じずに、実践しない人が多い。
実践した人だけが、次から次へと夢を実現していくのにもかかわらずーーー。
望みを叶えてくれる「魔法のランプ」は、この世にたしかに存在します。
その魔法のランプを友人はこすらなかった。私はこすった。
それだけの違いなのです。
じつは、あなたはすでに魔法のランプを持っています。そのランプをこすれば、ランプの妖精が出てきて、あなたの願いを叶えてくれます。
ですが当然、ランプの使い方にはコツがあります。使い方を覚えないと、なかなか夢や願望を叶えてくれないのです。
本書では、その魔法のランプのこすり方を、あなたにご提供しようと思います。
成功には、その人に合ったステージがある
私は、前著『億を稼ぐ人の考え方』(きずな出版刊)のなかで、本を読むことの重要性を説き、「本を1冊読めば、将来的に月収が1万円上がる自己投資になる」と書きました。
もちろんこれは「本を読むだけでお金持ちになれる」ということを言ったわけではなく、読んだ内容を実践する必要があるという意味です。
ただし、読んだ内容のどの部分を実践すれば成功するのか、どう行動に優先順位をつければいいのかが自分ではわからないことがあります。そのときに、いわゆるメンターに相談して、まず自分が実践すべきこと、優先すべきことを教わる必要があります。
つまり、あなたのステージによってやるべきこと、大切にすべきことが違うのです。
実際に私の場合、まだお金がないときに、ある成功者の方から「本当に大切なのはお金じゃない」「お金で幸せは買えない」と言われました。
「そんなこと言われたって、お金はいるでしょう。もっとお金があったら幸せだし」と思っていました。
正直、心に響かないのです。もっと切実な関心事項があるからです。
「どうしたら、もっと月収を上げられるのか?」
「どうしたら、いい車に乗れるのか?」
「どうしたら、家族に余裕のある暮らしをさせてあげられるのか?」
私にとっては、そういう現実問題のほうが何倍も重要でした。
そんなときに「お金で幸せは買えない」と常識的なことを言われても、気休めにしか聞こえませんでした。
しかも、しっかり稼ぐことが必要な時期に「お金がすべてじゃない」 「本当に大切なのはお金じゃない」 などと言われたら、どうなるでしょう。かえって、この常識的な成功法則はマイナスになるのではないでしょうか?
凡人にとっては、お金を稼ぐことに対する懐疑心を持つのは致命的です。なぜなら、儲かりはじめた途端、自分で自分にストップをかけてしまうからです。
億を稼ぐ人になるための5つの習慣
前著では、億を稼ぐための基本的な考え方・マインドをご紹介し、おかげさまで多くの方々に届きベストセラーになりました。 そこで読者のみなさまから、
「基本的な考え方はわかりました。でも、中野さんは具体的にどのような習慣や行動をされてきたのですか?」
という質問をたくさんいただいたことから、本書を執筆するに至りました。
「自分を変えたい」
「自分の殻を破りたい」
「お金を稼ぎたい」
「夢を叶えたいが、一歩踏み出せない」
「もっとやる気を出したい」
「人生をもっとよくしたい」
こういった人に読んでもらうために書いた本です。
よくある自己啓発本のように“成功法則を商売にして成功した人”によって書かれている本ではありません。実際に私自身が実践し、夢を叶え、年収1億円を突破し、人生を変えてきた具体的な方法論です。
その具体的な方法は、全部で5つの習慣に集約されます。
第1の習慣 自分自身を知る
第2の習慣 自分に「催眠術」をかける
第3の習慣 セルフイメージを高める
第4の習慣 お金の原則を知る
第5の習慣 幸福を習慣にする
本書は、この5つの習慣の順番に構成しています。
私のお弟子さんの何人もが、本書に書かれている具体的な習慣や作業を実践し、自分を変え、年収をアップさせ、夢を叶えています。年収1000万は当たり前、年収が億にするお弟子さんも出はじめています。
あなたも、この本の内容を実践し、自分を変え、一緒に豊かな人生を送る仲間になりませんか? それでは、あなた自身を豊かにするプロジェクトを開始しましょう。
第1の習慣 自分自身を知る
悪魔と手を組む
「中野くん、成功への道の初期段階では、悪のエネルギーを活用するんだよ」
メンターにそう言われたとき、危ない黒魔術でも聞かされるのかと困惑しました。
「悪」のエネルギーを活用するとは、どういうことでしょうか。
嫉妬、敵対心、見栄、虚栄心、復讐心などの「悪」の感情。一般的には、このようなマ
イナスの気持ちは、よくないものと言われています。
ところが「悪」の感情というものは、エネルギーが高いという現実もあります。
「悪」と「善」とはプラスとマイナスの極性が違うだけで、エネルギーという観点から見ると強いパワーを持っているのです。
これはビジネスにおいてもそうです。 金銭的な成功に至る道のりで、このような悪の感情のエネルギーを活用している成功者は多いです。
いや、活用していない人なんて滅多にいないのではないでしょうか。
成功した経営者に話を聞くと、「両親が離婚している」「子ども時代は貧乏だった」「いじめられていた」「成績がよくなかった」「運動ができなかった」など、さまざまなコンプレックスがあることが多いです。まわりをアッと言わせて見返してやりたい、それをバネに会社の上場まで果たしてしまう人も存在します。
親の夜逃げ経験から「稼ぎたい!」と欲求が湧いてきた
私の場合であれば、親が事業で失敗し、借金をつくり、子どものころから家がかなりの貧乏でした。
小遣いも自分でバイトをして稼いで、親にバイトで稼いだお金を渡していました。
大学は自分で学費を払うしかないと思い、必死に勉強して、なんとか学費の安い国立大学に入学しました。
大学に入ってからは学費のためにバイト三昧。バイトばかりで学校に行かなかったので、友だちもできませんでしたし、留年しかけました。
卒業式のときには、私だけ卒業証書がもらえませんでした。卒業式までに最後の期の学費が払えていなかったのです。恥ずかしく、情けない思いをしました。 卒業式のあとに学費を払い、なんとか卒業証書をもらい、無事に卒業はできました。
運よく液晶で有名な大手一部上場企業に就職できましたが、新入社員の1か月目に親から「お金を借りてきてくれ」と言われました。
消費者金融を4件まわり、200万円を借りて親に渡しました。
毎月の給料はすべて親に渡していました。初めてのボーナスももちろん親に渡しました。
「なんでこんな家に生まれたんだろう」と親を恨みました。
そして最終的に、両親は私たち子どもに何も言わずに、夜逃げしました。
「貧乏は嫌だ、絶対に成功してお金持ちになってやる!」
このような悪の感情に心が支配されていました。これは私の偽らざる本音です。
しかし、あとで振り返ってみると、実際に私自身は、このときの「貧乏は嫌だ!」という悪の感情が成功への足掛かりになりました。
悪の感情を認めてあげる
このような悪の感情の使い方を知っていれば、パワーを持つことができます。
「フェラーリに乗りたい!」
「美人とつき合いたい!」
「ブランド品を好きなだけ買いたい!」
そういう欲求は、成功を目指す若者なら誰にでもあります。
「上等じゃん。見ていろよ!」
そんな啖呵を切りたいときもあります。
悪の感情はそこにあるのだから、否定しても仕方がありません。
成功したいのなら、認めてあげるのです。
そして、そのエネルギーを利用するのです。
誤解されると困るので言っておきますが、悪の権化になりきるわけではありません。
当然、心を豊かにするように努力を続ける必要はあります。
ただ、成功に向かって離陸するまでは巨大なエネルギーが必要なので、悪の感情が出てきたときには、否定するのではなく、仕事を進めるうえで利用するのです。
もちろん、悪の感情をずっと持ち続ければ、顔に出てしまいます。人相が悪くなります。
だから長くはやらないでください。
あくまでも短期決戦。離陸して安定軌道に乗ったら、今度は必死になって心を磨くのです。きちんと現実世界に立脚しながら、心の豊かさを学ぶのです。
「復讐」の力を使う
では、実際にどのように悪の感情を利用すればいいのでしょうか。
キーワードは「復讐心」です。
理不尽な目にあったり、不誠実なことをされたとき、私たちは一時的に絶望します。
「どうして、自分だけがこんな思いをしなきゃならないのだろう?」
「なぜ、こんな目にあうのが私なのだろう?」
「なぜ、あの人は誠実に謝ってくれないのだろう?」
どんなにそれを思っても、答えは出てこない⋯⋯⋯。
この気持ちが解消されないとき、人は「復讐心」というエネルギーを使って這い上がろうとすることがあります。
私の場合は、事業を立ち上げていくなかで、いろいろな人に「お前が成功するわけがない」「怪しい」「せっかく大手企業にいるのに、自分で商発をしようとするなんて馬鹿か」などと言われ、「絶対に成功して見返してやる」と決意しました。これが復讐心です。
「復讐リスト」をつくろう
おすすめは「復讐リスト」をつくることです。
「あのとき〇〇と言ってきた△△くんを必ず見返す」
「独立するという話をしたときにバカにしてきた▢▢さんを見返す」
というようにリスト化するのです。
何か悔しいことがあったり、くじけそうなことがあるたびに、この復讐リストを見返すことで、もう一度立ち上がろうというエネルギーになります。
ただし、気をつけなければいけない点もあります。
復讐のエネルギーは、あくまでネガティブなエネルギーだということです。
「相手に後悔させてやりたい」「相手のやったことは間違っているから、それをこの手で証明してやる」ということが目的になると、たしかに行動するうえでのエネルギーにはなるのですが、最終的に幸福には到達しません。
なぜなら復讐が終着点になっているからです。
最初の力が弱い時期をくぐり抜けるときの起爆剤が復讐心であってもいいのですが、自分が動き出すきっかけとして使うまでにとどめておいて、決して長く持つべきエネルギーではないのです。
本当に復讐したくて、何かに没頭しはじめると、それが成功したときには復讐なんてとうに忘れているものです。
憎い相手への最大の復讐は、あなたが成功することです。
憎い相手にやり返しても無意味だし、勝ったとしても何も得るものはありません。
だから、あなたはその復讐心を利用して、相手が嫉妬するくらいに成功してしまえばいいのです。成功したころには、そんな相手はどうでもいい人間になっているでしょう。
私は、もし復讐リストに書いた人たちに会ったら、
「あなたのおかげで、あなたが生涯かけて稼ぐお金と同じくらいの金額を、僕は1年で稼ぐことができています。ありがとう」
と、心のなかで伝えています。
あなたも復讐リストをつくってみてください。
成功したときには、それが「感謝リスト」に変わっていますから。

「思い」という種を蒔いて、「行動」という果実を刈り取る
「人生は思った通りになるんだよ」
メンターに教わりはじめた駆け出しのころ、言われた言葉です。
「思った通りになるなら、苦労しないよ」
内心、そう思ったのを覚えています。
しかし現実として、私自身もいま、ほぼ「自分の思い通りの人生」を生きています。
これは何も、自慢したいわけではありません。
人間には、誰にも「自分が思った通りの人間になる」という特徴があるのです。
たとえば「自分には才能がない」と思っている人は、チャレンジしようとしないので、いつまでたっても能力が身につきません。
反対に「自分には才能がある」と思っている人は、新しいことに果敢にチャレンジしたくなるので、どんどん能力を身につけていきます。
「私は人づき合いが苦手だ」と思っている人は、人づき合いを避けるので、ますます人づき合いがヘタになります。
「私は人づき合いがうまい」と思っている人は、どんどん人と仲よくするので、コミュニケーション能力が磨かれ、ますます人づき合いがうまくなっていきます。
「私はモテない」と思っている人は、異性と話すことを避けるので、さらにモテなくなります。
「私はモテる」と思っている人は、、臆することなく異性と話し「好かれるノウハウ」を身につけるので、ますますモテるようになっていきます。
思いを変えることで、現実が変わる
このように、世界は「思い」が先で「現実」があとからついてくるのです。
植物が種なしには発芽しないように、すべての人の行動も、潜在的な思考の種なしには現れません。これは、無意識的であっても意図的であっても同じです。
自分の現状は「過去の自分が思ったこと」が現実化したものなのです。
「思い」を変えると、自分を取り巻く世界まで変わっていきます。
「私は幸せだ」と思っている人は、公園に行けば、美しい花や小鳥の鳴き声に癒され、幸せを感じます。
「私はツイてない」と思っている人が公園に行くと、「犬のフンが多い」とか「公衆使所がくさい」というマイナス面ばかりが目に飛び込んできます。
「毎日が楽しい」と思っている人が「道の駅」に立ち寄れば、ふかひれソフトクリームで盛り上がったり、地域限定のお菓子を買って車内でワイワイやったり、話に花が咲きます。
「毎日がつまらない」と思っている人なら、同じ道の駅でも「トイレを借りるだけ」になってしまいます。だから、つまらないのです。
あなたは「思い」という種を蒔いて、「行動」という果実を刈り取っています。
「才龍」も「幸せ」も、あなたが思っている通りになっていくのです。
ということは、あなたの「思い」を変えれば、文字どおり「思い通りの人生」をつくっていけるわけです。
では、どのようにして「思い」を変えていけばいいのか?
その話をするには、理解しておいてもらわなければならない理論があります。それを次の項でお話ししていきます。